ウーパールーパーの飼い方2024 ③ 飼育設備水質編

こんにちは!! うぱおです!!

さてさて前回は、飼育に必要なものの中で最も重要なろ過機について、ろ過とその仕組みなどを書かせていただきましたが、今回はお水の話をさせていただきます。

まず、ウーパールーパーの故郷であるソチミルコ周辺の水質って知ってますか!? うぱおは、ネットで色々調べても出てこなかったのですが、特殊ルートで情報をゲットしたんです!! 日本ウパルパ協会でやりとりをしている〝REDES” という野生のウーパールーパーを保護している団体があるのですが、そこの代表エルサさんが日本に来た時にいろいろと教えてもらいました!!

そこでわかったのが、現地の水質ってpH10近くあるアルカリ性の硬水なんだそうです!! 実はこれ、かなり特殊な水質なんですね!!

これに対して日本の水道水ってほとんどの場合が、中性前後の軟水です。

そう実は日本の水って、ウーパールーパーの故郷とは、かなり違った水質なんです!!

その為か、pHが下がった酸性の水に棲むと調子を崩しやすいんです。 ウーパールーパーが、調子を崩さない下限ぎりぎりくらいの水が、日本の水道水だと思ってください。

 

①pHとは??

pH(ペーハーまたはピーエイチ)って、小学校の時に習っているんですが、覚えていますか??

アルカリ性とか酸性ってやつで、1から14の数値で表すんですが、pH7が中性でそれより下が酸性、それより上がアルカリ性になります。

酸性の場合は水素イオン(H+)が増えていくことでpHが下がり、アルカリ性の場合は水酸化物イオン(OH−)が多いほどpHが高くなります。

水素イオンと水酸化物イオンは結合すると水になりますので、両方のイオンの量が釣り合えば、中性になるわけです。

 

②日本の水(中性くらいの軟水)で、飼育するとどうなるの??

ウーパールーパーは水換えをいっぱいしないといけない!!などと言っている方が多く、実際に毎日のように水を換えて飼育している方々も多いと思います。

これは、軟水の場合、アンモニアが分解されたときに発生する水素イオンによって、すぐにpHが下がってしまうから、頻繁に水換えをしないといけないのです。

pHが低い状態で飼育していると、エラは小さくなり、コショウ病などの病気にもかかりやすくなりますので、pHが下がらないように注意しましょう。

 

③なんでpHがさがるの!? 水素イオンと硬度(GHとKH)

pHが下がる仕組みについて考えましょう!!

前回お話ししたように水が汚れてくると、アンモニアが分解されて亜硝酸、硝酸と変化していきます。アンモニアが亜硝酸に分解されるときに時に、水素イオン(酸性物質)が発する為、pHが下がってしまうんです!! その為、ろ過によって有害なアンモニアは無くなりますが、その代わり酸性物質がどんどん発生してしまうんです。

 

 

④硬水の場合はpHが下がらない?

これが硬水の場合はちょっと違ってくるんです!! 

 

ちょっと難しい話になるのですが、硬水(総硬度GHが高い水)の場合カルシウムやマグネシウムの量が多いのですが、これらのもとは山の岩盤に含まれる炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなんです。それが水に溶けて硬度を上げるため、カルシウムやマグネシウムと同時に、炭酸水素イオンというものも溶けています。この炭酸水素イオンの濃度の事を炭酸塩硬度(KH)と言いますが、アルカリ性の硬水の場合は、KHも高いんです。

 

KHが高いとどうなるのでしょうか??

 

KHが高いと炭酸水素イオンが多く含まれるため、アンモニアが分解されるときに発生する水素イオンが、炭酸水素イオンと結合して二酸化炭素と水になります。

 

H(水素イオン) + HCO3(炭酸水素イオン) → H2O(水) + CO2(二酸化炭素)


つまり、酸性物質である水素イオンは炭酸水素イオンと結合し中和されpHが下がらないんです

最終的に炭酸水素イオンがなくなると、pHが下がるようになるのですが、炭酸水素イオンがなくなるのには時間がかかる為、すぐにpHが下ることは無くなるわけです。

その為、硬水の場合、pHが下がりづらいのです!!

ウーパールーパーはpHの高い水に棲む生き物です。その高いpHを保つために硬度&炭酸塩硬度を上げることが重要になるわけなんですね。 当店ではUPAソルトというオリジナル商品で硬度を上げることを推奨しております。

 

⑤pHを上げる!! アラゴナイトサンド

硬度と同時にpHも日本の水の場合、中性程度ですので、理想でいえば、もっと高くしたほうが、原産地に近づきますので良いと思います。

観賞魚用にpHを安全にあげるためには水に溶けづらい炭酸カルシウムが使用されます。水に溶けづらい為、急激なpHの変動を起こさないためだと思います。商品としてだとカキガラやサンゴ砂などがありますが、これらは実は酸性にならないと溶けない物が多く、pHをあげるというよりも、pHを下がらないようにするものなんですね。ですので、どちらかというとpHが下がりすぎないようにする為の予防する役割と思ってください。

当店では、UPAナイトというオリジナル商品を使っています。これはアラゴナイトサンドというものなのですが、この炭酸カルシウムには、構造が違ういくつかのパターンがあるんです。一般的なカキガラなどはカルサイトといって非常に硬い結晶構造が多く含まれるので、水に溶けづらく酸性にならないとなかなか溶けてくれないんです。しかアラゴナイトサンドはアラゴナイト構造といって比較的やわらかい結晶構造なので、アルカリでも水に溶けやすくよりpHを高くしてくれるのです。よりpHを高くしてあげたい場合には、アラゴナイトのほうが有効なんです!!

 

⑥まとめ:pHを高く保つために、硬度(GHとKH)を高くしましょう!!

・ウーパールーパーの原産地は高いpH&硬度

・pHが下がると調子を崩しやすい。

・硬度が低い日本の水はpHが下がりやすい。

・硬度を上げてあげると、pHが下がりづらくなる

・ウーパールーパーの飼育がしやすくなる。

 

というわけで、今回はちょっと難しい、水質に関してのお話でした!!