ウーパールーパーの飼い方2024 ④ 飼育設備水温編

こんにちは!!うぱおです!!

さてさて、前回はちょっと小難しい水質に関してのお話でした。pHとか硬度とか何となく聞いたことはあっても、それをいじったりすることってあんまりないんで、理解するの難しいですよね(^-^; まあ、可愛いうぱちゃんの為ですので、何となくで良いので、覚えておいてくださいね~!!

でもって、今回は割と理解しやすい温度に関するはお話です!!

 

①野生でのウーパールーパーは、何℃くらいで生きてるの?

まずは原産地メキシコのソチミルコ周辺(メキシコシティ)の気温を見てみましょう!!

※Weather sparkホームページより参照

 

これを見ると年間通じて、最高気温は25℃前後、最低気温が10℃前後、平均気温は15℃~20℃程度という事がわかります。最も寒い時期でも最低気温の平均で約6℃ほどなんです。これは調べてみましたが、東京の3月くらいと同じなんですね。ちなみに本日(4月13日)のメキシコシティの気温は最高28℃、最低7℃のようです!! 昼間暑くて、夜は涼しいといった感じですね。

ソチミルコのあるメキシコシティは、緯度で見るとハワイより南にある熱帯域なんですが、標高が2000mと高い為に、年間通じて涼しい気候という地域になります。また、雨季と乾季もはっきりしており、日本でいう夏場の6~9月頃は雨季になるので、日本ほど暑くはならないようですね。

さてこれを踏まえて水温を考えてみましょう。一般的に湖などの場合、莫大な量の水があるので、気温通りには推移しないです。浅瀬などでは日が当たれば水温は上がり、冷えれば元に戻るでしょうが、莫大な水量がある湖ですので、昼間はちょっと水温が上がり夜間はちょっとだけ水温が下がるだけでしょう。では、その基準となる温度はというと、恐らく平均気温ですね。

これは、地温(地中の温度)が、同様に平均気温と同じ程度におちつくとの事なので、膨大な水量である湖の水温でも同じようなことが言えると思います。

つまりウーパールーパーの本来の生育温度は年間通じて15℃から20℃ほどであると考えられます。

飼育下では15~20℃のプラスマイナス5℃(10~25℃)に抑えるのが無難な温度だと思います。経験上この範囲内でしたら、食欲が落ちるなどもないので、生体に負担がかかることは少ないものと考えられるからです。

 

これを踏まえて、ウーパールーパーの水温管理を考えてみましょう!!

 

②日本には四季がある

まず、日本には四季があり夏場は30℃以上、冬場は氷点下近くまで下がることもある地域です。

よくウーパールーパーは暑さに弱く寒さに強い、といわれますが、実はこれは正しい様で正しくないのです!!

まず暑さに弱い!!これはたぶん多くの人が理解している部分で、正しいと思います。

次の寒さに強い、というのは本当に正しいのでしょうか? 本来15℃から20℃くらいの場所で生きている生き物が、氷点下近くになっても健康に生きていけるとは思いませんよね? ウーパールーパーにとって寒すぎるのは、本来の環境とはかけ離れた世界ですので、必ずしも大丈夫とは言えない環境なんです。

ですので、寒さに強いというより、涼しいのが好き!!といったほうが正しいと思います。

 

では、日本でウーパールーパーを飼育するには、どのように水温管理をすればいいのでしょうか??

各季節ごとに見てみましょう!!

 

③冬:寒さ対策をしましょう。

まずは、話の続きで寒さから見てみましょう。

おうちの中の冬って、生活スタイルによって環境は人それぞれになると思いますが、基本的にヒーターを使って保温が必要な時期です。金魚用の18℃設定のヒーターなどで保温してあげましょう。

a::暖房は点けっぱなし

b::家に帰っても暖房器具はあまり使わない

c:家に帰ったら暖房で部屋を暖める

 

aの場合だと、室温で温度は保たれるので特にヒーターなどなくても大丈夫ですね。

bの場合は、寒くなりすぎないようにヒーターで水温管理をしてあげてください。

cの場合はちょっと難しくて、暖房をつける時間の長さなどによりますが、水温の変化をしっかりとチェックしましょう。水温の変動が大きいのも良くありません。

●水温の変動

両生類であるウーパールーパーは変温動物といって、自分で体温を調整できないで、周りの環境の温度によって体温が決まります。その為、水温があまりにも低くなると体が仮死状態となって動けなくなってしまうのです。またそれだけ温度の変化には敏感で1℃の変化が我々の6℃に値するといわれています。朝晩で5℃の変化があれば、我々でいう30℃の変化に値するわけです。結構過酷だと思いませんか??

煖房を使う時間が長い場合だと暖房をつけているときは25℃、暖房を切った時に金魚用ヒーターだと18℃まで下がりますが、これを熱帯魚用で(23から25℃くらい)にしてあげたほうが温度差を少なくしてあげられるわけです。

逆に暖房を点ける時間が短い場合は、水温は大して上がらないので金魚用ヒーターの18℃でちょうど良かったりします。

ヒーターは温度を下げない&温度変化を少なくするために使いますので、それぞれの部屋に応じて適した温度設定のヒーターを使いましょう!!

 

・ヒーターなしでずっと飼っているんだけど??

って方もいるかと思います。実際に真冬の北海道の外で、一冬越しても大丈夫だった!!なんて友達もいました。外に置きっぱなしで途中で気づいたけど、完全に凍っているように見えてウーパールーパーの周りだけ凍ってなかったそうです。そのまま春になって水が溶けたら、ウーパーも生きていたそうです。

というわけで寒さに強いというのはある意味正解なのかもしれませんが、これは特殊な例だと思います。できるだけ安全に冬を越すためには、本来の環境である15℃以上を保ってあげたほうが、失敗はしないかと思いますよ。

 

・冬眠させても良いの??

日本の生き物は冬の間冬眠して、冬を越しますね。その場合、土の中など冬の間中ずっと温度の低い場所にもぐったりして冬眠します。上記の北海道の例もあるので、そういった環境を用意できれば冬眠させることもできるかもしれません。しかしウーパールーパーを飼っているのは家の中だと思います。家の中で冬の間数か月間ずっと0℃近くを保つ場所なんてなかなかないですよね?しかも本来の習性を考えれば、冬眠する生き物ではないわけですから、冬場はきちんと保温して過ごさせてくださいね!!

金魚など冬眠可能な生き物を飼う場合でも、冬眠させずに保温して飼うことが推奨されています。これは家の中だと温度が上がったり下がったりして不安定な為、冬眠状態を保つことが難しいからなんです。中途半端に温度が高くなることで代謝が上がってしまいエネルギーを消費してしまうので、春先に駄目になってしまう事も多いのです。

ウーパールーパーは、そもそも冬眠する生き物ではないので、必ず保温して冬を越させてあげてください!!

 

④春の過ごし方:温度変化に注意

春といえば桜が咲いて暖かくなって、我々にとっては過ごしやすくなってくるいい季節ですね!!では、ウパちゃんにとってはどうなんでしょうか?

春というのは、じつは結構温度が不安定な時期なんですね!! 暖かくなったかと思えば、急に雪が降ったり!! ゴールデンウィークあたりになると、今度は急に30℃を超える夏日なんてこともありますよね!!

ですので、温度の変化に注意して、寒さ対策、暑さ対策をともにできるようにしておいてください。

 

⑤夏の過ごし方:暑さ対策

夏といえばだれもが注意する暑さの対策が必要です!! これは、最近の日本の夏の暑さのピーク時には、暑さに弱いウーパールーパーだけでなくほとんどの生き物が暑さ対策なしでは生きていけないかと思います。必ず暑さ対策をしましょう。

基本的にはエアコンで温度を下げるのが良いでしょう。

最近の日本の夏だと暑さのピーク時間帯には35℃以上となることも多く、締め切った家の中ではもっと高くなることがほとんどです。それを25℃以下に保とうとすると、高額なコンプレッサー式の水槽用クーラーを使用するしかないんです。しかもそれを付けたとすると、水槽を冷やした分、部屋の中に排熱がされますので、部屋の温度はさらに上がってしまいます。それを賄おうとするとワンランク、ツーランク上のサイズのクーラーが必要になるんです。恐らく金額的にも5~10万程度はかかることでしょうし、そんな暑い部屋に帰ったら、結局は部屋のエアコン付けますよね(^-^; 

最近のエアコンは省エネですから、点けっぱなしにしても、電気代がすごいことになるというのは少ないかと思います。当店では夏場はエアコン2台フル稼働しておりますが、他の季節と比較しても1万円程度しか上がりません。

普通に毎日エアコンをオンオフしても、その間水槽用クーラーが動いてます。ある程度の電気代はかかるはずですから、恐らく大差ないものと思います。

ただし、エアコンだけで25℃以下にしようとすると、人間が寒いかと思いますので、人間が心地よい温度(26~30℃程度)に設定してプラス水槽用ファンで3~4℃下げてあげるのがベストだと思いますね。

ちなみに、30℃くらいまでならウーパールーパーが死んでしまうという事はほとんどないと思います。ネットの記事で、ミスによって35℃になっても全滅はしなかったという記事もありました。意外と高温にも耐えてしまう生き物なんです。

安全に夏を越すには、25℃以下を目指して管理をして、多少超えても30℃以下に抑えるのが、良いと思います。

 

⑤秋:残暑に注意しながら、気温の変化に注意しましょう

秋は、春と似たような感じで、急な暑さや急な寒さに注意をしておく必要がありますね。暑い夏場を乗りきって気が緩んでると、残暑で猛暑日!!なんてこともありますので、天気予報をしっかりとチェックして、対応してあげましょう。

また夜になると冷えることも多くなるので、早目にヒーターを入れるなどの寒さ対策もして、温度差により体調を崩すことが無いように気を付けましょう。

春と同様に天気予報をしっかりとチェックして、寒さ対策、暑さ対策共にきちんと行いましょう。

 

⑥調子を崩すのは春や秋!!

お店でお客様からの問い合わせ、相談などを見ていると、実は春や秋に調子を崩している方が非常に多いんです。

春の場合は、冬場にきちんと保温をしていない方に多く、恐らく低すぎる水温や昼間だけ温度が上がるなど不適切な温度管理をなされていた場合だと思います。金魚などでもあるのですが、温度が下がると胃や腸の中にある食べたものを消化できません。その状態が長く続くと内臓にダメージが出てしまい、春くらいに調子を崩すんです。

秋の場合は暑さから解放されて、夜に急激に温度が下がり始めます。昼間25℃夜10℃なんて、温度変化も出てくるころですね。そうなると変温動物であるウパちゃん達にはかなりの温度変化になり負担になってしまいます。場合によっては昼間は冷却ファンを付けて、夜はヒーターで保温なんて感じで温度差を少なくしてあげたほうが良かったりしますね!!

人間でも季節の変わり目には風邪をひきやすかったりします。うぱちゃんも温度変化が出はじめる春や秋には、ちょっと注意を払ってあげてくださいね。

 

というわけで、ウーパールーパーは本来15~20℃程度の涼しい温度帯に暮らす生き物です。また温度変化に敏感な変温動物ですので、温度変化も少なくしてあげましょう。

飼育下では、エアコンや冷却ファン、ヒーたーなどをきちんと使い、10℃~25℃程度の中で温度差を少なめにしてあげると良いでしょう!!

 

というわけで、今回はウーパールーパーの水温管理についてのお話でした!!